【第119号】◆決断の重さと速さ~ 政局から学ぶ人生の選択と判断の仕方 ~

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 今月のメルマガ     2025年10月号
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◆決断の重さと速さ
~ 政局から学ぶ人生の選択と判断の仕方 ~
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皆様

秋が深まり、空気の透明さに冬の気配を感じる季節になりました。
季節が二季のように急ぎ足で移ろうこの頃は体調管理の難しい時期ですね。
どうぞお健やかにお過ごしください。

さて、今月私が関心を持って見ていたのは、日本の政治情勢でした。
ここでは、特定の立場や評価の話ではなく、
「人は重大な場面でどのように決断するか」
という「決断」をテーマにして考えてみたいと思います。

以下では政治家の名前や政党の名称が出てきますが、どの政治家が好きか嫌いか、
自分にとってどの政党(政治家)が有利か不利か、という観点ではなく、
人生の重大場面における取捨選択の仕方、判断の仕方が、
あたかも人生論のように思えたものですから、
今月のメルマガで自分なりに振り返って考えてみたいと思った次第です。

皆様ご承知の通り、自民党総裁選は事前予想では小泉進次郎氏が有利でしたが、
高市氏が麻生太郎氏(派閥)の応援を得て自民党総裁に選出されました。
ところが、公明党離脱により高市氏が内閣総理大臣になれるかが
政局問題(高市氏にとっては政治危機)になりました。
国民民主玉木氏が一気に注目され、野党連合結成するかが報道の中心テーマになりましたが、
重要政策の一致(改定)が条件となり、
野党連合は脱出困難な暗礁にのりあげました。
そうこうしているうちに、日本維新の会が電撃的に自民党と連立関係になり、
高市氏は憲政初の女性内閣総理大臣となりました。
この連立合意はまさに急転直下、重要問題の短期間での決断でした。

一般論ですが、重要問題は重い問題なので、判断も慎重に重くなり、
時間がかかることになりやすく、結局まとまらないことも多くなります。
しかし、重要問題であっても判断時間を多くもてないこともあります。
重要ではあるが、即断に近い早い決断が必要という場合もあるという意味です。

私自身、今回の政治の動きと流れを見ながら、
“人生の重大局面でも似たような判断が求められるので、政治決断も本質は人生の岐路の判断と同じだ”
と感じました。

自民党と日本維新の会は、今後の政権運営について公明党連立時代のような
協同関係を構築できるかの課題もありますが、短期間での連立合意は、
ドラマチックでもあり、要求・我慢・妥協などのやりとりがはげしくあっただろうと思えてなりません。

以下は私の推測ですが、単独政権ができないなら、できることとできないことを早く見極め、
できることは何かを確認し、できることの中で優先順位をつけて、
絶対に妥協できない内容は堅持(実現)し、
不利な状況下では相手の要求も我慢して受け入れる必要がある、と思います。

国民民主は連立しないで次の政権奪取機会を重視し、
維新の会は意見の相違は後日に調整することにして連立の実現に積極策を選択した、
という判断の違いがあったように思います。
両者ともに、政治家として見事です。

そして、高市氏も今後の大いなる我慢を覚悟し、日本維新の会も連立が良いことばかりではない
(苦痛も我慢も批判もある)ことを覚悟し、
それでも政権担当して政治家として本懐を達したいという気概は感じました。

他方で、国民民主(玉木氏)側は支持基盤との関係もあったのかもしれませんが、
自分が納得する内容で政権担当したいという気概で今回の政局に臨んだのでしょう。

ここからは私の感想ですが、大きく大事な局面であっても、
自分が強い有利な立場ではないことはよくあります。
そのようなときに、「何を得て、何を捨てるか」の決断は、
自分の人生観や価値観が出てきますし、人生の中でも特に難しい決断になります。

この観点で、今回の政局を、ドラマとしてではなく、
「人生の決断」という観点で見てみると、政局での各人の判断が、
あたかも「私たち一人ひとりの選択の姿勢を映す鏡」のように思えてなりません。

皆様はどのように思われたでしょうか。
ここまでお読みいただき、感謝いたします。
どうか来月もよろしくお願いいたします。

吉田良夫