勝負を分けた、たった一枚のカード

~2026年サッカーワールドカップ決勝戦から考える「勝負の流れ」~

盛夏の候、連日厳しい暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

また、7月28日に発生した熊本地方を震源とする地震の報に接し、深く心を痛めております。現在もなお被害の全容は明らかになっておらず、日を追うごとに被害の大きさや深刻な状況が伝えられ、その甚大さに胸が痛む思いです。

このたびの災害や事故により尊い命を失われた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様に謹んでお悔やみ申し上げます。

また、被害に遭われた皆様、避難生活や復旧対応などで不安な日々を過ごされている皆様に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧・復興と、平穏な日常が戻りますことを心よりお祈り申し上げます。

このような中ではありますが、今月は、2026年 サッカーワールドカップ決勝戦を題材に、

「勝負の流れ」の不思議さについて感じたことを書いてみたいと思います。

今回の決勝戦は、最後まで互いに譲らぬ緊張感に包まれた名勝負でした。

しかし、私には、勝敗を分けた最大の分岐点は、後半アディショナルタイムにアルゼンチンのエンソ・フェルナンデスに提示された二枚目のイエローカードだったように思えてなりません。

その瞬間、試合の景色は一変しました。

数的優位に立ったスペインは延長戦で波状攻撃を仕掛け、アルゼンチンは長時間にわたり防戦を強いられます。そして112分、フェラン・トーレスの決勝ゴールが生まれ、連覇を目指したアルゼンチンの夢は静かに幕を閉じました。

スポーツの世界では、たった一つの判定、一瞬の判断が、その後の流れを大きく変えてしまうことがあります。この試合は、その典型例だったように感じました。

試合が終わった今でも、私の頭から離れないことがあります。

「もし退場がなく、11人対11人のまま延長戦に入っていたなら、結果はどうなっていただろう。」

サッカーファンなら誰もが一度は思い描く「タラレバ」の世界です。

アルゼンチンは持ち前の粘り強い守備でスペインの猛攻を耐え切り、PK戦まで持ち込めたかもしれません。

ワールドカップでのアルゼンチンは、PK戦において世界屈指の勝負強さを誇ります。

その実績を考えると、「もし11人だったなら」という想像は決して突飛なものではなく、多くのサッカーファンが共有する思いではないでしょうか。

もちろん、これは永遠に答えの出ない空想です。しかし、その空想こそがスポーツ観戦の醍醐味でもあります。

観戦者の間では、「スペインはアルゼンチンのPK戦での強さを十分に理解していたからこそ、90分、あるいは延長戦で決着をつけようと考え、相手の焦りや情熱を巧みに利用したのではないか」という見方も語られていました。

真偽は分かりません。

しかし、勝負の世界では、技術だけではなく、相手の心理状態や感情まで含めて戦略の対象となります。

格闘技では反則を誘う駆け引きが存在しますし、サッカーでも相手を心理的に揺さぶり、有利な状況を作ろうとする戦術は決して珍しいものではありません。

極限の勝負だからこそ、人間の強さと弱さ、その両方が勝敗を左右するのだと改めて感じました。

企業法務の現場でも、このことを強く感じる場面があります。

紛争事案や紛争になりそうな局面では、当事者はどうしても感情が揺さぶられます。

そして時には、相手方が意図的にこちらの感情を刺激し、怒りや焦りを誘発するような言動を取ることもあります。

しかし、その挑発に乗ってしまえば、本来であれば避けられたはずの紛争が深刻化し、本人だけでなく、企業や組織にも大きな損失を与えかねません。

だからこそ大切なのは、熱い心を失わないことと、判断と行動は、あくまでも冷静であることです。

正義感や責任感という「熱い心」は持ち続けながらも、感情を暴発させることなく、事実を整理し、法的・経営的な視点から最善の判断を積み重ねていく。

その姿勢こそが、自分自身を守り、組織(企業)を守り、そして長い目で見れば企業を育てることにつながるのだと思います。

熱い心で物事に向き合い、冷静な頭で判断し、落ち着いて行動する。企業法務に携わる者として、私自身も常に心に留めておきたい姿勢です。

結果だけを見れば、「スペインが優勝した」という一行で終わる試合です。

しかし、多くの人の心に残ったのは、「もし11人で戦えていたなら」という、もう一つの物語ではないでしょうか。

スポーツには、結果だけでは語り尽くせない奥深さがあります。

だからこそ、私たちは勝敗だけでなく、その過程や流れ、そして「もしも」に思いを巡らせながら、何度でも試合を語りたくなるのだと思います。

今年のワールドカップ決勝戦は、そのようなスポーツの魅力を改めて感じさせてくれた、記憶に残る一戦でした。

四年後には、また新たなドラマが生まれることでしょう。今からその日を楽しみに待ちたいと思います。

今月も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

猛暑が続きますので、どうかご自愛いただき、充実した夏をお過ごしください。

また来月も、どうぞよろしくお願いいたします。

吉田総合法律事務所
所長 吉田 良夫

観ることも、スポーツを支えること

長く見続けてわかった勝負の奥深さと、対価を支払うという応援

皆様、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
この原稿を書いている今は、梅雨の真っただ中。
蒸し暑さと肌寒さが交互にやってくる、何とも落ち着かない気候が続いています。

そんな中、世間を熱くさせているのが、現在開催中のFIFAワールドカップです。日本代表のオランダ戦での劇的な引き分けや、チュニジア戦の見事な勝利、スウェーデン戦での激闘に、日本中が沸き立っています。

チュニジア戦が行われた6月21日(日曜日)の午後、私は美容院にいました。
薄くなってきた髪を、それなりに整えてもらうためです。

普段ならかなり混み合う時間帯ですが、その日は不思議なほどお客さんがいません。
美容師さんに聞いてみると、どうやら皆さん、サッカーの試合を観るために外出を控えていたようです。
言われてみれば、街を歩く人もいつもより少なく感じられました。
多くの人の予定を変え、街の景色まで少し変えてしまう。
まさに、ワールドカップの持つ圧倒的な力です。

趣味がもたらす「観る力」

髪を整えてもらいながらサッカーの話をしているうちに、話題はいつの間にかボクシングへと移っていきました。
私はかつて、約20年にわたりWOWOWのボクシング番組「エキサイトマッチ」(月曜日放送)を毎週のように観ていました。
仕事を終えて遅い時間に帰宅し、お風呂を済ませてから、録画した試合を観ながら遅い夕食を取る――それが当時の週1回の楽しみでした。

解説を聞きながら、戦略や技術、採点方法などを少しずつ学ぶうち、私の中でボクシングの見え方が変わっていきました。
ただ殴り合っているように見えた試合が、相手との距離を測り、駆け引きを重ね、
一瞬の隙を探り合う、非常に奥深い知的な競技に見えてきたのです。

2017年10月、村田諒太選手が世界ミドル級王座を獲得した両国国技館の試合は、幸運にもリングサイドエリアで観戦できました。
会場を支配したあの緊張感と、勝利の瞬間の大歓声は、今でも肌が覚えています。

毎週一度のささやかな楽しみも、20年続ければ自分なりの「観方」と「楽しみ方」が生まれます。「継続は力なり」と言いますが、これは勉強や仕事に限ったことではありません。
趣味も長く続けることで視野が広がり、楽しみがより深くなっていくのだと実感しています。

対価を支払うという応援

2026年5月2日に東京ドームで行われた、井上尚弥選手と中谷潤人選手の一戦は、残念ながら会場で観ることはできませんでした。

私はパソコンの画面越しに、自分なりのジャッジペーパー(採点表)をつけながら全世界注目の歴史的試合に熱中し堪能しました。
私は是非もう一度見たいです。できればダイレクトリマッチで見たいです。そう願っています。

近年、スポーツ観戦はテレビの無料放送から、インターネットの有料配信(PPVなど)を通じて対価を支払って観るものへと変わりつつあります。

昔を知る身としては、少し寂しく感じる面があるのも事実です。
しかし、私たちが支払うお金は、選手だけでなく、トレーナーやスタッフ、興行を支える多くの人々の血肉となります。
そして、その道を志す次世代の若者たちが、夢だけでなく「職業」としてスポーツを選べる環境づくりへと繋がっていくはずです。

何でも安ければよい、無料であればよい、というわけではありません。
価値あるエンターテインメントを楽しんだときには、それにふさわしい対価を支払う。
その積み重ねこそが、優れた選手や質の高い試合を生み、スポーツ文化を次の世代へと繋ぐ力になるのではないでしょうか。

これからも、選手たちの技術や勇気、そして勝負の奥深さをリスペクトしながら、スポーツ観戦を楽しんでいきたいと思います。

まずは、現在開催中のFIFAワールドカップ。世界各国選手のスーパープレイを期待しつつ、テレビ(または画面)の前で熱い声援を送り続けたいと思います。

今月も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
来月もどうぞよろしくお願いいたします。

吉田総合法律事務所
所長 吉田良夫

歴史の転機に、人は何を背負って立つのか

~ NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」を見て思った、金ヶ崎の退き口と三人の宿命~

風薫る5月も下旬となり、日中は汗ばむ陽気も増えてまいりました。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

今回は、少し趣向を変えて、NHK大河ドラマを見て思い出した、私の好きな歴史場面について書いてみたいと思います。

少し前に放送された大河ドラマ「豊臣兄弟!」では、
織田信長が浅井・朝倉軍の挟撃を受け、越前から撤退する「金ヶ崎の退き口」が描かれていました。

この場面は、私にとって非常に興味深い歴史上の一場面です。

かつては、木下藤吉郎、後の豊臣秀吉が一人でしんがりを務め、信長を救った英雄譚として語られることが多かったように思います。
今回の大河ドラマも、主にこの流れで描かれていました。

しかし、近年の歴史研究や解説に触れると、実際には秀吉だけでなく、明智光秀、徳川家康らも、それぞれの立場と事情の中で撤退戦に関わっていたとされています。

もちろん、歴史の細部については諸説があります。

ただ、私が強く惹かれるのは、まさにこの点です。

後に天下を取る秀吉。

本能寺の変を起こす光秀。

江戸幕府を開く家康。

この三人が、まだ後世の「歴史上の巨人」になる前に、同じ危機の中で命を懸けていたという事実に、何とも言えない面白さを感じます。

秀吉には、ここで功を立てたいという思いがあったかもしれません。

光秀には、信長や将軍家との関係の中で果たすべき役割があったかもしれません。

家康は、信長の同盟者として、また自らの軍勢を生き残らせるため、厳しい状況に向き合わざるを得なかったのかもしれません。

三人は、それぞれ違う理由で、同じ危機の中にいました。

そして、三人とも生き延びました。

もし、このとき秀吉が討たれていたら。

もし、光秀がここで命を落としていたら。

もし、家康が生還できなかったら。

その後の日本の歴史は、まったく違うものになっていたはずです。

歴史を振り返る面白さは、単に「誰が勝ったか」「誰が偉かったか」を知ることだけではありません。むしろ、一人ひとりが、その時点では先の見えない状況の中で、自分の立場、自分の役割、自分の判断を背負って生きていたことに思いをめぐらせるところにあるように思います。

後から見れば、歴史には大きな流れがあったように見えます。
目には見えない何か大きな力が、秀吉、光秀、家康をこの場で生かし、その後も三人の人生を、運命や宿命のように絡み合わせていったようにも感じます。

しかし、その渦中にいる人間には、未来の結末など分かりません。

目の前の危機にどう向き合うか。
その時に何を守り、何を引き受けるか。
その積み重ねが、後から「歴史」と呼ばれるものになるのだと思います。

金ヶ崎の退き口は、秀吉、光秀、家康という三人の運命が、まだ大きく動き出す前に一度交差した場面のように見えます。

後に、光秀と秀吉は山崎の戦いで激突します。
秀吉と家康も、小牧・長久手の戦いで対峙し、家康がその力量を示しながらも、最終的には秀吉が天下統一へと進んでいきます。

金ヶ崎で同じ危機を共有した者たちが、その後、味方となり、敵となり、また時代を動かしていく。

そこに、歴史の不思議さと、人間の宿命のようなものを感じます。

もちろん、私たちの日常は戦国時代ではありません。

しかし、仕事でも人生でも、自分では選びきれない状況に置かれ、その中で何らかの役割を果たさなければならないことがあります。
望んで飛び込む場合もあれば、気づけば巻き込まれている場合もあります。

それでも、その場でどう振る舞うかが、後から振り返ったときに、自分自身の歩みを形づくっているのかもしれません。

大河ドラマをきっかけに、久しぶりに好きな歴史場面について考える楽しい時間を持つことができました。

皆さまも、ドラマや本、旅先の風景などをきっかけに、ふと昔の人物や出来事に思いをめぐらせることがあるのではないでしょうか。

歴史は遠い過去の話でありながら、時に、今を生きる私たちの心にも静かに響いてくるものだと感じます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

次回もどうぞよろしくお願いいたします。


吉田良夫

変化の時代に、何を拠り所とするか

自分なりの判断軸が、心と生活を守る

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。 
桜の季節もあっという間に過ぎ、ゴールデンウィークを迎えました。 

駅ではキャリーケースを引く人の姿も目立ち、街の空気もどこか軽やかです。 
年末年始を経て、また一つの節目を迎え、季節は確実に夏へと向かっています。 

さて、季節も流行も、世の中のあらゆるものは常に変化しています。 
とりわけ最近は、国際情勢や経済環境の変動が激しく、ニュースに触れるたびに先行きの不透明さを感じる場面が増えました。 

世界の出来事は複雑に絡み合い、一つの出来事が思いもよらない形で他の地域や経済に影響を及ぼします。 

 
その結果、私たちの日常やビジネス環境にも、静かに、しかし確実に変化が及んできます。 

例えば、最近のイラン戦況による石油危機はその典型です。 

それによりナフサ不足になり、バスユニット工事の受注に大きな影響が出ている等も同様です。 

こうした時代においては、外部環境を正確に予測すること以上に、 
「自分の判断の軸を持つこと」が一層重要になると感じています。 

環境が不安定なときほど、 
自分は何を大切にするのか、どのように判断するのか、 
その基準を見失わないことが、結果として安定した意思決定につながります。 

この意思決定は自分の気持ちを落ち着かせ、感情の乱れや心配不安を軽減することに役立ちます。 

変化の波に翻弄されるのではなく、 

たとえ変化の濁流に巻き込まれ表面的には振り回されることになっても、 
その中で自分なりの立ち位置を保ち続けることはとても大事で価値あることです。 

それが、これからの時代を穏やかに、そして力強く生きるための一つの在り方ではないでしょうか。 

皆さまはどのようにお感じでしょうか。 

今月も最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

吉田良夫

変化の時代に、人に残るもの

AI時代における感情と共感のゆくえ

皆さま いかがお過ごしでしょうか。

3月に入り、東京でも桜が開花しました。
少し暖かくなると、桜の名所は多くの人で賑わいます。

近年は、日本人だけでなく、多くの訪日客の方々が桜を楽しんでいます。
日本の春の風景が、国境を越えて共有されていることを実感する場面です。

一方で、日常の風景も変化しています。
近くのコンビニに入ると、店員さんが全員外国人ということも珍しくありません。

日本はすでに、自国民だけでは労働力を賄えない社会に入り、
外国人の力を前提とした社会のあり方が現実のものとなっています。

そのような中、世界に目を向けると、
移民政策の大きな転換や、国際情勢の緊張の高まりなど、
社会の前提そのものが揺らぐような出来事が続いています。

さらに、生成AIやAIエージェントの急速な普及により、
これまで時間をかけて行っていた調査や分析が、
短時間で完了する時代になりました。

業務の効率化という点では大きな進歩ですが、
同時に「人間の役割は何か」という問いも、より鮮明になってきています。

私自身も昨年秋頃から生成AIを活用していますが、
思考の整理や、いわば「壁打ち相手」として非常に有用であると感じています。

ただ一方で、
AIが導いた結論そのものに対しては、
どこか感情が動きにくいという側面も感じています。

人は、誰かが時間をかけ、試行錯誤し、
熱意をもって生み出したものに対して、
納得や共感、時には感動を覚えるのではないでしょうか。

効率化が進めば進むほど、
「人が関わる意味」や「感情の価値」は、
むしろ相対的に高まっていくようにも思えます。

変化の大きい時代だからこそ、
自分の感情と向き合い、他者の気持ちを理解し、
それぞれの立場や事情の中で折り合いをつけていくこと。

そうした営みこそが、
これからの時代において、より重要になるのかもしれません。

今月も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
来月もどうぞよろしくお願いいたします。

吉田良夫

日進月歩の時代に、何を選ぶか

金利の復活とAIエージェントの進化が問いかけるもの

時代の変化を実感する場面はいくつもあります。

その一つが、銀行預金の金利です。

高度成長期には、郵便貯金の利息で元本が1.5倍、時には2倍になることもあったと聞きます。
しかし長いデフレ低成長期を経て、銀行預金は「利息を得るもの」ではなく、「安全に資金を保管し、決済に使うもの」という感覚に変わりました。
むしろ手数料を支払いながら利用するインフラ、という位置づけだったように思います。

ところが最近では、ネット銀行を中心に、普通預金であっても税引後で年0.5%前後の利息が付く商品が現れています。
各行が様々な条件を設けながら、預金者を獲得しようと競争しています。

背景には、銀行側が資金をより積極的に運用し、貸付や投資機会が増えている現実があります。
預金金利の変化からも、経済活動の再活性化が見えてきます。

もう一つの大きな変化は、生成AIの社会実装です。

近年は、単に質問に答えるだけでなく、利用者が細かく指示しなくても自律的に業務を遂行する「AIエージェント」が登場しています。

企業では、入社間もない社員がAIエージェントを活用し、精度の高い見積書や提案書を短時間で作成できるようになった、という話も珍しくありません。
業務生産性は確実に向上しています。

一方で、「人間の仕事が奪われるのではないか」という懸念も語られます。
極端な論調としては「SaaSの死(SaaS is Dead)」という言葉まで登場し、従来のソフトウェアビジネスの崩壊を予測する議論もあります。

しかし私は、既存の社会システムが一挙に生成AIへ全面移行するとは考えていません。

むしろ、生成AIとAIエージェントの活用によって生まれる余力を、人間が「より高度な思考」や「これまで手を付けられなかった領域」に振り向ける。
その結果として新たなニーズやビジネスが生まれ、それを人間がAIと協働しながら切り拓いていく――
そのような時代になるのではないかと感じています。

日進月歩という言葉があります。

現代社会は、その言葉を体感する段階に入ったのかもしれません。

変化を恐れるのではなく、
変化の構造を理解し、
その中で自分が果たすべき役割を見つける。

生成AIが進化しても、人間が考えること、選択することの価値は失われません。

私自身も、変化を受け止めながら、よりよい仕事とよりよい生き方を模索していきたいと思っております。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

吉田良夫

皆様に元気をお届けするために

皆様、いかがお過ごしでしょうか。

このメルマガでは、私が好きな言葉である「皆様に元気をお届けするために」をタイトルに、お送りさせていただきます。
少しでも皆様の“読む時間が整う”ようなメルマガにできればと思っています。

~不確実性が増す時代だからこそ、心を守る視点を~

年明け以降、世界では地政学・通商・金融をめぐるニュースが続き、国内でも物価上昇や制度の変化など、日々の生活や経営判断に影響する出来事が目立ちます。

「先が読みづらい」「落ち着かない」と感じることが増えた、という方も少なくないのではないでしょうか。

物価の上昇は、数字の上では数%に見えても、日常の体感としてはそれ以上の負担感を覚えることがあります。言い換えると、同じ1万円でも“できること”が少しずつ減っていく。だからこそ、家計でも会社でも、これまで以上に「備え」や「見直し」が大事になってきたと感じます。

一方で、こうした時代だからこそ、意識して持っていたい視点があります。

それは、「不安を消すこと」よりも、「自分が扱える範囲に意識を戻すこと」です。

ふと周りを見渡すと、実は――

自分にできること、見てホッとするもの、心が軽くなるもの、少し前向きになれる時間は、思っているより身近にあります。

「良いことがない」のではなく、「良いことに目が向かなくなっている」だけかもしれない。最近、私はそんなふうに感じています。

このメルマガで、私が皆さまに“正解”を提示できるわけではありません。

ただ、皆様と同じ時代を生きる一人として、「仕事や暮らしの中で大切にしたいこと」を、少しずつ言葉にして共有していければと思っています。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

吉田良夫

 【第121号】◆10年間ありがとうございました~来年からは吉田総合法律事務所メールマガジンになります~

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 今月のメルマガ    2025年12月号(個人メルマガ最終号)
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◆10年間ありがとうございました
~来年からは吉田総合法律事務所メールマガジンになります~
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皆様

皆さま もうすぐクリスマスと年末年始になります。
皆さまにとって今年はどのような年だったでしょうか。
京都清水寺の今年の漢字は「熊」でした。
また、2025年の「新語・流行語大賞」の年間大賞は、
高市早苗首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」でした。
働くが5回続いて、高市さんの喜びと熱意が一気に噴き出た言葉ですね。

そして、もうすこしすると、2026年になります。
時間は止まることはなく、過去に戻ることもできませんので、
今(現在)とこれから(未来)をどのように過ごすかが人生で大事だと思います。
過去を振り返りすぎると、過去に執着してしまい、
現在と未来を前向きに創造的に生きることができなくなるかもしれません。
他方で、過去と現在を切り離すことはできませんから過去の振り返り(理解)はとても大事です。
歴史を知ることが大事なのは、このためだと思います。
つまりバランス、調和が大事ですね。

私が最初にこのメルマガを書き始めたのは2015年7月で、
2025年12月まで約10年の長きに渡り、
その時々の自分の感じたこと思ったことを配信してきました。
このメルマガは私の約10年の思い出であり、
月ごとですが日記のような存在です。
そして、吉田総合法律事務所のホームページで
読み返すことができるようにアーカイブしています。
多くの人に支えられ、協力していただき、ここまで継続することができました。

来月からは年が改まり、2026年になります。
そして2026年からは私が個人として配信する個人エッセイから、
『吉田総合法律事務所メールマガジン』として配信することになります。
事務所配信になっても月1回は私が今までと
同様のエッセイ的なものを配信するつもりですが、
ほかのメンバーの配信内容は各人の個性や方針にゆだねるつもりです。
そして、少しお時間を頂くかもしれませんが、
各人の個性が湧き出す変化のあるメルマガに生まれ変わると思っています。
どうか来年1月からの新しいメルマガを期待して待っていてください。
私のこれまでのメルマガは私を支え続けてくれたメルマガ事務局2名の
多大な協力によって事務的な運営を確保でき、継続できました。
そして、私は自分の思うこと、感じることを、皆様にお届けすることができました。
大変に幸せなことです。
そして、新しい吉田総合法律事務所メールマガジンでは、
事務所メンバーに配信を通じて私が感じてきた喜び、
うれしさを感じてもらいたいと思っています。

メルマガ事務局の皆さま、大変ありがとうございました。
そして、このメルマガをお読みいただいているすべての皆さまに、
「来年1月からの吉田総合法律事務所メールマガジンをどうぞよろしくお願いいたします」
との願いを込めて、この個人メルマガを終えたいと思います。

皆さま、本当にありがとうございました。
そして、良い年をお迎えください。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

吉田 良夫

 【第120号】◆メルマガ継続10年、長年のご愛読に感謝申し上げます~2026年よりリニューアルのお知らせ~

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 今月のメルマガ     2025年11月号
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◆メルマガ継続10年、長年のご愛読に感謝申し上げます
~2026年よりリニューアルのお知らせ~
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皆様、こんにちは。

町並みはもうクリスマスモードで、イルミネーションが綺麗ですね。
ですが、まだ寒くないのが不気味です。

私は少し早い自分のクリスマスプレゼントを買いました。
38,500円でG-SHOCKのメタルバンドのとてもかっこいい時計です。
G-SHOCKはこれで3つ目で、Amazonが私のG-SHOCK好きをよくわかっていて
(G-SHOCK情報は閲覧しますので)、
今回はAmazonの提案に乗った感覚ですが、とても良いものを買うことができ、
大満足です。しかもAmazonポイントが購入額の10%も付いて、
ずいぶん安く購入できた、といううれしい気持ちです。

私も値段の高い時計を持っているのですが、
いつの間にかブラックG-SHOCK、ホワイトG-SHOCKを日常的に使うようになり、
今度はメタルバンドG-SHOCKで、次はどうなるのでしょうか。

皆様も、愛する人へのプレゼントとご自分へのプレゼントをお考えになるシーズンで、
楽しい時期ですね。子供さんが小さいご家庭では、
お子様のために親御さんが一生懸命働いて、
クリスマスプレゼントを用意する季節でもあり、
年配の方はそのようなことも思い出すシーズンでもあります。

ところで、このメルマガも、私が鳥飼総合法律事務所所属時代から約10年にわたり継続し、
現在に至っております。皆様の前にはお顔は出ませんが、
メルマガ事務局チームが私のメルマガ配信を支えてくださり、
現在では、その昔からのメルマガ事務局チームと吉田総合法律事務所の事務局が協力して、
私の配信を支えて、長期継続ができております。

私は、私が創設した吉田総合法律事務所が、変化の激しい社会環境の中で、
オリジナリティーとスペシャリティーを発揮し、多くの中堅企業、中小企業の経営権、
ガバナンス、労務、契約交渉契約審査、競争法、知的財産などの経営総合支援を果たすことにより、
日本社会の大部分を占める非上場企業とそこで働く人々(ご家族も含めて)の生活を守り、
生活を豊かにする社会的価値を持つ存在でありたい、という願いを持っております。

そして、現時点では、それを事務所全体で実現している、または実現しようと思っています。
当事務所は2018年5月設立ですから、メルマガも私の個人的メルマガから、
事務所のメルマガに転換してよい時期になりました。

説明が長くなりました。
私のGmailによる個人的メルマガは来月12月の配信で終了とさせていただき、
来年2026年1月からGmailではなく当事務所の公式メールアドレスより
「吉田総合法律事務所メールマガジン」として皆様に配信させていただく予定です。

これからは私だけでなく、
事務所メンバーの個性あふれる新たなメルマガとして皆様にお届けしますので、
どうかよろしくお願いいたします。

今月も長くなりました。最後までお読みくださった皆様には心より感謝申し上げます。
来月も、そして新メルマガになりましても、どうか末永くお願い申し上げます。

吉田良夫

【第119号】◆決断の重さと速さ~ 政局から学ぶ人生の選択と判断の仕方 ~

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 今月のメルマガ     2025年10月号
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◆決断の重さと速さ
~ 政局から学ぶ人生の選択と判断の仕方 ~
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皆様

秋が深まり、空気の透明さに冬の気配を感じる季節になりました。
季節が二季のように急ぎ足で移ろうこの頃は体調管理の難しい時期ですね。
どうぞお健やかにお過ごしください。

さて、今月私が関心を持って見ていたのは、日本の政治情勢でした。
ここでは、特定の立場や評価の話ではなく、
「人は重大な場面でどのように決断するか」
という「決断」をテーマにして考えてみたいと思います。

以下では政治家の名前や政党の名称が出てきますが、どの政治家が好きか嫌いか、
自分にとってどの政党(政治家)が有利か不利か、という観点ではなく、
人生の重大場面における取捨選択の仕方、判断の仕方が、
あたかも人生論のように思えたものですから、
今月のメルマガで自分なりに振り返って考えてみたいと思った次第です。

皆様ご承知の通り、自民党総裁選は事前予想では小泉進次郎氏が有利でしたが、
高市氏が麻生太郎氏(派閥)の応援を得て自民党総裁に選出されました。
ところが、公明党離脱により高市氏が内閣総理大臣になれるかが
政局問題(高市氏にとっては政治危機)になりました。
国民民主玉木氏が一気に注目され、野党連合結成するかが報道の中心テーマになりましたが、
重要政策の一致(改定)が条件となり、
野党連合は脱出困難な暗礁にのりあげました。
そうこうしているうちに、日本維新の会が電撃的に自民党と連立関係になり、
高市氏は憲政初の女性内閣総理大臣となりました。
この連立合意はまさに急転直下、重要問題の短期間での決断でした。

一般論ですが、重要問題は重い問題なので、判断も慎重に重くなり、
時間がかかることになりやすく、結局まとまらないことも多くなります。
しかし、重要問題であっても判断時間を多くもてないこともあります。
重要ではあるが、即断に近い早い決断が必要という場合もあるという意味です。

私自身、今回の政治の動きと流れを見ながら、
“人生の重大局面でも似たような判断が求められるので、政治決断も本質は人生の岐路の判断と同じだ”
と感じました。

自民党と日本維新の会は、今後の政権運営について公明党連立時代のような
協同関係を構築できるかの課題もありますが、短期間での連立合意は、
ドラマチックでもあり、要求・我慢・妥協などのやりとりがはげしくあっただろうと思えてなりません。

以下は私の推測ですが、単独政権ができないなら、できることとできないことを早く見極め、
できることは何かを確認し、できることの中で優先順位をつけて、
絶対に妥協できない内容は堅持(実現)し、
不利な状況下では相手の要求も我慢して受け入れる必要がある、と思います。

国民民主は連立しないで次の政権奪取機会を重視し、
維新の会は意見の相違は後日に調整することにして連立の実現に積極策を選択した、
という判断の違いがあったように思います。
両者ともに、政治家として見事です。

そして、高市氏も今後の大いなる我慢を覚悟し、日本維新の会も連立が良いことばかりではない
(苦痛も我慢も批判もある)ことを覚悟し、
それでも政権担当して政治家として本懐を達したいという気概は感じました。

他方で、国民民主(玉木氏)側は支持基盤との関係もあったのかもしれませんが、
自分が納得する内容で政権担当したいという気概で今回の政局に臨んだのでしょう。

ここからは私の感想ですが、大きく大事な局面であっても、
自分が強い有利な立場ではないことはよくあります。
そのようなときに、「何を得て、何を捨てるか」の決断は、
自分の人生観や価値観が出てきますし、人生の中でも特に難しい決断になります。

この観点で、今回の政局を、ドラマとしてではなく、
「人生の決断」という観点で見てみると、政局での各人の判断が、
あたかも「私たち一人ひとりの選択の姿勢を映す鏡」のように思えてなりません。

皆様はどのように思われたでしょうか。
ここまでお読みいただき、感謝いたします。
どうか来月もよろしくお願いいたします。

吉田良夫