[第29号] 「すぐに行ける」ことのありがたさ

皆様 あっというまに公園では早桜がさきはじめ、そしてこのメルマガがお手元に届く頃は「お花見」のよい時期になりそうです。
前回のメルマガでは大雪とインフルエンザを取り上げました。
冬から春という自然の大きな営みを感じることができ、なんとなくうれしくなります。

春というとなんとなく体を動かしたくなります。
そこで、すぐに思いつくのが、フィットネスクラブでありますが、
私はこれまで事務所から地下鉄1駅はなれたプール付のフィットネスクラブに
「入退会」の繰り返しをしておりました。

恥ずかしながら「幽霊会員」だったわけです。

ところが、最近読んだ「一流の頭脳」
(アンダース・ハンセン著 御舩 由美子訳 サンマーク出版
2018年3月5日初版)の中で、

「移動する生物だけに脳がある。」(同書287頁)
「地球上に初めて現れた脳細胞の最も大切な仕事はその生物を
移動させることだった。」(同書288頁)
「身体を動かさなければ、そのためにできている脳も機能できない。」(同上)
「「移動距離」と脳の大きさは比例する。」(同上)

このフレーズは私にとってインパクトがありました。
私が思ったのは

地球誕生のときに生物は存在していなかった。
その後、生物が出現した。
最初、生物には「脳」がなかった。
生物が生きる(栄養素をとる、生存率を高める)ために
「移動」する必要が出てきた。
「移動」は複雑な行動だから、移動をするために「脳」がうまれた。

「移動」は「運動」を意味します。
「運動」は、健康のため、体のためだけではなかった。
なによりも、「脳」のために、「生きる」ために必要で大事なことなのだ。

そして、運動は、筋トレなどの無酸素運動とランニングなどの有酸素運動に大別できますが、「一流の頭脳」では、脳のためには有酸素運動が望ましいと書いてあります。

ここまででしたら、「なんだぁ。有酸素運動がいいということか。それなら知っている。」となりますよね。

私の目にとまったのは、「まず何よりも重要な点。それは、たとえわずかな1歩でも脳のためになる、ということだ。もちろん、5分よりは30分のほうがいいが、5分でもまったく価値がないわけではない。」(同書302頁)

「(10代の子どもたちが)12分ジョギングをしただけで「読解力」と「視覚的注意力」がどちらも向上した。……たった4分の運動を一度するだけでも集中力と注意力が改善された。」(同書243頁)

というフレーズです。

有酸素運動の効用なら知っています。
1.身体の健康によい(健康は、食事、睡眠、運動からと言われていますよね)
2.セロトニンがでて気分が明るくなる(向精神薬よりうつ改善効果があると
言われています)
3.気分転換でき集中力が高まる

しかし、さきほどの本のフレーズはあまりにも刺激的ですね。

「5分でもまったく価値がないわけではない。」

「(たとえ10代の子どもたちの実験であったとしても)たった4分の運動で
集中力と注意力が改善された」

5分間を全力疾走はできませんが、ジョギングやランニングであれば、
「(私でも)5分くらいなら、できます!」。

さて、次は、どこで運動するかです。

これまで幽霊会員ばっかりだったのは、いくまでに時間がかかるからでした。

私にとって、設備の良い「遠い」ところより、設備は劣っても「近い」方が、
「価値がある・役に立つ・使える」、ということに気がつきました。

その条件を満たすフィットネスクラブはありますので、先ほどの本を読んだ翌日に入会申し込みをして、通い始めています。

このことから気がついたことがあります。

アクセスが短時間ということは、自分が思っていたより「大事な要素」でありました。

そこで、私は「クライアントと私との関係」が頭に浮かびました。

私はクライアントの皆様にとって、「近場の人間」だろうか。

「敷居が高い」、「電話をかけにくい」、「メールを出しにくい」、
「頼みごとや注文ごとを言いにくい」ということはないだろうか。

私はお客様にとって、歩いてすぐにいける「近場」の「相談役」になっているだろうか。

そんなことを思っていましたら、私の好きな「お得意様の仕入係」という一文を
思い出しました。
松下幸之助氏の「商売心得帖」の一節ですが、私は「松下幸之助成功の金言365」(PHP研究所刊  2011年1月5日初版)の163頁から学びました。

私の思考整理をかねてポイントを引用させてください。

……「お得意様の仕入係」……

商売をするには、自分の扱う商品を十分吟味し、自信を持って販売することが大事であることはいうまでもないでしょう。
ただ、その際の心がけとして、単に商品を吟味するというのではなくて、買う人の身になってというか、いわばお得意様の仕入係になったつもりでこれを吟味することが大事だと思います。

……中略……

だから、自分はお得意様の仕入係だと考えれば、お得意様は今何を必要とされているか、どういう程度のものをどれほど欲しておられるかということを察知しつつ、そういう目で商品を吟味して、お得意様の意にかなうようにお勧めしなければなりません。

ちょうど奥さんが、晩のオカズを買いに来て、魚屋さんの店先であれこれ物色しているうちに、魚屋の主人が、その奥さんの要望を察しつつ、

「奥さん、これはどうです。この魚は今が食べごろ、値段も手ごろ、ご主人にもきっとよろこばれますよ。」

という具合に相手の好みにピタッと相応ずる品を選んで勧めれば、いっぺんに決まってしまいます。

奥さんも気持ちよく買い物ができるし、店も繁盛するというわけです。

魚屋さんに限らず、ほかのお店も、これは同じことではないでしょうか。

……

私も、肝に銘じて、よりいっそう「近場の相談役」になろうと思っております。

ここまでお読みいただいた皆様に深く感謝します。

お読みいただきありがとうございました。

 

吉田 良夫