[第39号]大阪なおみ選手の全豪オープン優勝で思ったこと~勝負の流れの引き寄せ合いと勝負後のすがすがしさ~

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 今月のメルマガ              2019年1月
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 ◆大坂なおみ選手の全豪オープン優勝で思ったこと

~勝負の流れの引き寄せ合いと勝負後のすがすがしさ~

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皆様

皆様 お元気でお過ごしのことと思います。
今年は平成最後の年ですね。
次の元号がとても楽しみです。

1年前の今頃は、私がインフルエンザにかかっていた時でした
(うかつに他人のマイナス暗示を深層心理に受け入れてしまって
インフルエンザにかかったお話をメルマガ28号で書いています)。

1年前のインフルエンザを思えば今日はなんと幸せなことでしょう。
でも1年前のインフルエンザの時も、
録画して見ていなかった映画をまとめて見たり、
久しぶりに家の中でゆっくりできたり、
結構楽しい時間でした。

もしかしたら、日常を「楽しい」と思おうとするか、
「楽しくない!」と思おうとするか、
気の持ち方が重要なのかもしれませんね。

ところで、
1月26日(土)夜に大坂なおみ選手の全豪オープンテニス決勝を
ライブで観戦しました。
大偉業に心からのお祝いと祝福を申し上げます。

私が特にすごいと思ったことがあります。

第2セットで大坂さんは早めにチャンピオンシップポイントの
チャンスをつかみましたが、その後、堅くなってしまいました。

相手のクビドバ選手は実力者です。
劣勢を連続ポイントで巻き返し、第2セットはクビドバ選手が逆転でとりました。

第2セットはデュースをクビドバ選手が全部とっていますし、
チャンピオンシップポイントになってからは、
「競り合ったらクビドバ」という流れになってしまいました。

大坂選手はボールをコートにたたきつけて(ラケットで受け止めたわけですが)、
いらだちを隠しきれない様子でした。
この場面を読売新聞1月27日朝刊1面は、
「タオルで顔を隠す大坂の姿は、涙をこらえているようにも見えた。」
と書いています。

勝負事は流れが大事です。
このとき、クビドバ選手は、セットカウントがイーブンなら流れは我にありで、
「この勝負、私がもらった」
と思ったのではないでしょうか。

ですが、万物流転、
良い状態も悪い状態も変化するわけです。

大坂選手は第3セットの前に、トイレットブレイクをとって会場から
一端消えました。
この判断はさすがです。

顔を水で洗って、鏡を見て、「私は勝つ」と自分に言い聞かせたのではないか、
私はテレビを見ながら勝手にそう思いました。

そして、勝負の第3セットは本来の力をそのまま出し切った感じで勝ちました。

両者の流れの引き寄せ合いがとても面白かったです。

それともうひとつ。
全米オープンでセリーナ・ウィリアムズさんに勝って優勝したときに、
表彰式で「こんな結果になってごめんなさい」と言いました。

そして全豪オープンでクビドバ選手に勝って優勝したときも、
優勝の瞬間にガッツポーズをしないで、ラケットをもって頭を下にして、
しゃがみ込むような様子で勝利をかみしめていました。

格闘技の世界では間違いなくガッツポーズの瞬間ですし、
勝利のときに敗者の前でビクトリーソングを歌うボクサーもいます
(タイソン・フューリー)。

それなのに、武士道のようなすがすがしさ。

表彰式の時もチャンピオンスピーチの最初に、クビドバ選手に顔を向け、

「こんな結果でちょっと申し訳ない気持ちもありますが(テレビ同時通訳より)」

と話していました。
本当にすばらしいですね。

テニス素人の私も楽しむことができました。
大坂なおみさん、ありがとうございました。
そして、私も応援しています。

ここまでお読みいただいた皆様に深く感謝します。

吉田良夫