【第56号】9月の4連休で思ったこと

□────────────────────────────□
 今月のメルマガ              2020年9月号
 ────────────────────────────

◆9月の4連休で思ったこと
  ~ 対策をとって楽しい時間を過ごしましょう ~

□────────────────────────────□

皆様

いかがおすごしでしょうか。
前回(55号)のメルマガでは「熱リスク」「熱ストレス」といった
熱波を題材にしました。
それから5週間ですっかり秋の様相です。
残暑のぶり返しはあると思いますが、今年の猛暑は終わったようです。
過ごしやすくなって、なによりです。

また、先日の4連休では多くの人が行楽その他を楽しみました。
大変すばらしいことです。

私も都合で早い時間帯に東京駅を利用したのですが、
駅構内の人の数に驚きました。
多くの人が、コロナ対策に気をつけながら行楽その他の移動を楽しむ
雰囲気(ムード)になったのですね。

自粛の雰囲気の時は、
「コロナ対策をしていれば家族旅行を安全に楽しめるはずだ!」と思っても、
なかなか動けませんよね。

菅新政権の方針や、「Go To トラベル」のイメージなどが功を奏し、
雰囲気がすこし変わったのかもしれません。
私も、コロナ対策をしながら、旅行、観光などを楽しむことはとても大事なことだと思います。

そのような思いの中で、4連休中の読売新聞 9月21日(月曜祝日)朝刊9面に
興味深い記事を見つけました。
大見出し「日本を覆う『空気』」の中の、鴻上尚史氏の新著「同調圧力」
を紹介する記事部分です。
記事の一部を引用します。


鴻上尚史氏は、先月刊の「同調圧力」(共著、講談社現代新書)の中で、
少数意見や異論を唱える人に対し、暗黙の内に周囲と同じような行動を
強制することを「同調圧力」と定義した。

鴻上氏は「(自粛警察に走る人は)国が自粛要請をしているとの大義名分を手に入れ、
従っていない人をたたいても責められないと考えている」と話す。

鴻上氏によれば、第2次大戦の際は、「日本人ならぜいたくはできないはずだ!」
などの標語が国民生活に制約を課し、ぜいたく品の製造などを禁止した
『七・七禁令』を破っていないか、隣組や国防婦人会が見てまわっていた。

コロナ禍でも「3密」「ソーシャルディスタンス」などの言葉を過剰に
守ろうとする風潮が生まれたが、「今も同じことをやっているのでは」とも言う。

私は自粛警察の話を聞くたびに、2011年下半期放映の NHK朝の連続テレビ小説「カーネーション」
の戦争時代の場面を思い出します。
ご承知の方も多いと思いますが、デザイナーコシノ三姉妹とその母の物語で、
感動的なドラマでした。

その中で、主人公家族の大事な大事な宝物のミシンを、婦人会が「お国のため」
といって取り上げようとした場面があります。
あらがうことのできない厳しい厳しい召し上げの場面です。

私はてっきり、お国の法律で強制召し上げと思ったら、実は法律ではなく、
地域婦人会の自主的な「強制召し上げ」だとわかって、非常に驚きました。

ドラマでは、その後、婦人会で厳しく収容を迫った方が、大事な息子を亡くし
悲しげな表情で遺影を掲げ、道を歩いておりました。

コロナ禍での自粛警察、マスク警察といった現象は現在でも存在するのでしょうし、
今後も同じ現象が生まれそうな気がします。

(私の勝手な推測ですが、この現象は、江戸時代の農民統治政策だった五人組制度が、
日本人の潜在意識に深く染みついたからだと思っています。
そのため、同じ現象が形を変えて生じてしまう…。)

しかし、大事なのは(目的にすべきは)コロナウイルスの感染減少です。
その対策として、いくつもの方法があります。
多くの人がそれらを組み合わせて対策を実践しています。

私も医療機関の方からの対策アドバイスで、自宅に戻ったら、
玄関でカバンを大きなポリ袋にしまい込み、直ぐに手を洗っています。
アドバイスでは、その後直ぐに入浴することになっています。
家の中にウイルスを持ち込まない効果的方法です。

私のことはともかく、対策の目的は、地域(ひいては日本全体)で
感染者数の増加を防ぐことです。
感染増加を防ぐことで、感染者数は確実に減少すると聞いています。

そして、しっかりと予防策をとって、旅行や営業活動などを、
すこしでも普通に近い状態で楽しめるようにすることが非常に重要だと思います。

アメリカ、インド、フランス、スペイン、イギリス等々、列挙できないほど
多くの国々で、一日当たり感染者数、死亡者数が極めて多数になっています。
特にアメリカ、インドなどでは多数という言葉で言い尽くせないほどの巨大な数に
なっています。
この現実を直視しながら、日本での現状を冷静に見てみると、
アメリカ等の感染者数及び死亡者数が非常に多い国々との対比で言えば、
日本での感染者数と死者数は、総数においても、人口当たり数においても、
非常に少ないといえるのではないでしょうか。

今回のコロナウイルスは地球上から消滅しないと言われているようですから、
おそらく、今後もコロナ感染がゼロになることはないでしょう。
感染者数、死亡者数は、増減をくりかえしながら推移するのでしょう。

しかし、大事なのは、
感染爆発をさせない、
激増をさせない、
増減変動の繰り返しの中でしっかりとリスクコントロールを実行する、
リスクを許容できる範囲内にとどめながら社会生活と経済生活を行う、
それにより各人の生活と人生を守る、
ということではないでしょうか。

4連休の人出の多さを見て、「対策をとって楽しい時間を過ごす」ことは
とても大事だ!と思いました。
すこしほっとしながら今月のメルマガを書いた次第です。

今回も長文になってしまいました。
ここまでお読みいただいた皆様に深く感謝します。
ありがとうございます。

吉田良夫