観ることも、スポーツを支えること

長く見続けてわかった勝負の奥深さと、対価を支払うという応援

皆様、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
この原稿を書いている今は、梅雨の真っただ中。
蒸し暑さと肌寒さが交互にやってくる、何とも落ち着かない気候が続いています。

そんな中、世間を熱くさせているのが、現在開催中のFIFAワールドカップです。日本代表のオランダ戦での劇的な引き分けや、チュニジア戦の見事な勝利、スウェーデン戦での激闘に、日本中が沸き立っています。

チュニジア戦が行われた6月21日(日曜日)の午後、私は美容院にいました。
薄くなってきた髪を、それなりに整えてもらうためです。

普段ならかなり混み合う時間帯ですが、その日は不思議なほどお客さんがいません。
美容師さんに聞いてみると、どうやら皆さん、サッカーの試合を観るために外出を控えていたようです。
言われてみれば、街を歩く人もいつもより少なく感じられました。
多くの人の予定を変え、街の景色まで少し変えてしまう。
まさに、ワールドカップの持つ圧倒的な力です。

趣味がもたらす「観る力」

髪を整えてもらいながらサッカーの話をしているうちに、話題はいつの間にかボクシングへと移っていきました。
私はかつて、約20年にわたりWOWOWのボクシング番組「エキサイトマッチ」(月曜日放送)を毎週のように観ていました。
仕事を終えて遅い時間に帰宅し、お風呂を済ませてから、録画した試合を観ながら遅い夕食を取る――それが当時の週1回の楽しみでした。

解説を聞きながら、戦略や技術、採点方法などを少しずつ学ぶうち、私の中でボクシングの見え方が変わっていきました。
ただ殴り合っているように見えた試合が、相手との距離を測り、駆け引きを重ね、
一瞬の隙を探り合う、非常に奥深い知的な競技に見えてきたのです。

2017年10月、村田諒太選手が世界ミドル級王座を獲得した両国国技館の試合は、幸運にもリングサイドエリアで観戦できました。
会場を支配したあの緊張感と、勝利の瞬間の大歓声は、今でも肌が覚えています。

毎週一度のささやかな楽しみも、20年続ければ自分なりの「観方」と「楽しみ方」が生まれます。「継続は力なり」と言いますが、これは勉強や仕事に限ったことではありません。
趣味も長く続けることで視野が広がり、楽しみがより深くなっていくのだと実感しています。

対価を支払うという応援

2026年5月2日に東京ドームで行われた、井上尚弥選手と中谷潤人選手の一戦は、残念ながら会場で観ることはできませんでした。

私はパソコンの画面越しに、自分なりのジャッジペーパー(採点表)をつけながら全世界注目の歴史的試合に熱中し堪能しました。
私は是非もう一度見たいです。できればダイレクトリマッチで見たいです。そう願っています。

近年、スポーツ観戦はテレビの無料放送から、インターネットの有料配信(PPVなど)を通じて対価を支払って観るものへと変わりつつあります。

昔を知る身としては、少し寂しく感じる面があるのも事実です。
しかし、私たちが支払うお金は、選手だけでなく、トレーナーやスタッフ、興行を支える多くの人々の血肉となります。
そして、その道を志す次世代の若者たちが、夢だけでなく「職業」としてスポーツを選べる環境づくりへと繋がっていくはずです。

何でも安ければよい、無料であればよい、というわけではありません。
価値あるエンターテインメントを楽しんだときには、それにふさわしい対価を支払う。
その積み重ねこそが、優れた選手や質の高い試合を生み、スポーツ文化を次の世代へと繋ぐ力になるのではないでしょうか。

これからも、選手たちの技術や勇気、そして勝負の奥深さをリスペクトしながら、スポーツ観戦を楽しんでいきたいと思います。

まずは、現在開催中のFIFAワールドカップ。世界各国選手のスーパープレイを期待しつつ、テレビ(または画面)の前で熱い声援を送り続けたいと思います。

今月も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
来月もどうぞよろしくお願いいたします。

吉田総合法律事務所
所長 吉田良夫