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今月のメルマガ 2025年7月号
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◆~石破関税交渉は良かったのか悪かったのか ~
~世の中が価値観を含めて大きく速く変化し多様化している~
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みなさま 7月と8月は猛暑真っ盛りですね。
外にいるときはもちろんのこと、
室内でも熱中症予防に気を配りましょう。
私が先日、ある大学病院の医師先生から聞いた話ですが、
非常に活動的で体力もあって、
俺は絶対に熱中症にはかからない、と信じていた方が、
続々と救急車で大学病院に運び込まれてくるそうです。
ですから、健康的、体力がある、エネルギッシュ、
という日常の状態と、
熱中症になるならない、は別の問題のようです。
私がアドバイスされたのは、高温の場所に長い時間いない、
室内は安心しがちだから気を付ける、
水をこまめに飲む、
外出で日差しを浴びやすい状態とか熱中症リスクが
ありそうなときは水よりもポカリスエット類を飲む、
などでした。
その話を聞いてから、建築現場や、
道路整理などで外に長時間いる方などをみると、
「大変お疲れ様で、ありがとうございます。」
という気持ちになります。
ところで、今月実施された参議院選挙ですが、
事前投票の会場は
今までとは違って多数の方が並んでいたそうです。
そして当日投票を含む全体の投票率も高く、
多くの方が実際に投票した選挙でした。
結果として、与党は過半数を割るという厳しい結果となり、
政権内では「石破おろし」などの動きも活発化しています。
一方、SNSでは「#石破やめるな」「#石破頑張れ」
といった応援の声が見られ、
国会議事堂前では石破氏を支援する
デモも行われたと報じられています。
ただし、これらの応援者の中には、
必ずしも与党支持層ではない方々も含まれているという指摘もあり、
いわゆる「敵の敵は味方」
という構図での支持が広がっている可能性もあるようです
(「敵の敵は味方」は、戦いにおいては太古の昔からの黄金律ですから、
可能性としてはよく理解できます)。
つまり、石破氏が内閣総理大臣のままであれば
野党主張の政策実現も現実味がでてきます。
そして全国の地方選挙を含む今後の選挙で
野党党勢拡大が期待できます。
ところが「石破おろし」が実現し
次の自民党総裁が国民支持を回復すれば、
野党党勢拡大はしぼんでしまう、という考えです。
上記の見方とは別に、石破内閣が事実上、
主要国で一番最初にトランプ関税15%合意をしたことを、
対トランプ(対米)交渉として積極評価すべき
という見方もあるかもしれません。
トランプ氏はその刺激的な言動で多くの人に
さまざまな感情を沸き立たせますが、
トランプ氏の言動は、「ポストリベラリズム」
という最近の大きな思想潮流のなかで生まれたものだ、
という分析もあるようです。
最近では、日本経済新聞の2025年6月28日の
「トランプ氏はただの『乗り物』
政治思想学者パトリック・デニーン氏」
という記事が読みやすいと思います。
このポストリベラリズムの思想潮流は、
私を含め多くの方が気づかないうちに、
日本にも来ているのかもしれませんね。
(ポストリベラリズムをグーグルクロームで検索すると、
AI検索として、
「ポストリベラリズムとは、既存のリベラリズム(自由主義)
の限界や問題を乗り越え、
新たな価値観や社会のあり方を模索する思想や運動のことです。
より具体的には、新自由主義的な
市場原理主義や個人主義の行き過ぎを批判し、
共同体や連帯、格差の是正などを重視する傾向があります。」
とあります。)
この「ポストリベラリズム」が今後もアメリカの政策
の根幹になると仮定すると、
残念ながら、アメリカの抑圧的対外政策に真正面から抗うことは困難で、
国際外交として、
自国の致命的負担を回避し、自国の経済的利益、
自国の外交的利益、
自国のアイデンティティを維持発展させることのできる交渉が
大事だったのではないかと思えるのです(あくまで私の感覚です)。
特にトランプ氏は大きな減税法律を成立させたので
(「一つの大きな美しい法案」)、
その減税分をほかの税収として獲得する必要があり、
関税で減税分をまかなう必要があるはずで、
仮に国家歳出を抑制するとしても、
どんなことがあっても関税で国家税収を得る必要があるという
不退転の決意ではないかとも思えるのです
(あくまで私見であり、公的な資料に基づいての記載ではありません。)。
その観点から、私は国際外交や国際政治は完全に素人ですが、
石破内閣はかなり適格かつ首尾よく、
外交(関税)交渉をしたのではないか、という気もします。
特に主要国の一番最初の関税合意で、それによりトランプ氏が
他国との関税交渉を行いやすくなったのであれば、
トランプ氏(ポストリベラリズム派)
に一種の「貸し」をつくることができたのではないかという気もします
(トランプ氏は「借り」をつくったなどとは思わないかもしれませんが)。
なお、農産物市場開放が日本の農業(生産者、関連事業者)
を苦境に追い込まないか
という心配はありますが、
これについても実際は日本の農業は守られる内容だ、
という話もでており、そのような前提があって、
私の先ほどの考えになっております。
今回は、私自身の感覚や一市民としての考えも含めてお伝えいたしました。
異なるご意見をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、
一つの視点としてお受け止めいただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
来月もどうぞよろしくお願いいたします。
吉田良夫